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2023-06-04

第3回 法文学部 神経科学座談会


「コミュニケーション音声の分析:トリ、ネズミ、ヒト」 
橘亮輔(産業技術総合研究所 主任研究員)

  • 2023年6月12日(月)夜1限(18:10開始-19:40くらいに終了予定)  
  • 鹿児島大学 法文学部2号館2F ラーニング・コモンズ2
  • 法文2号館は1号館と館内で繋がっている図書館側(西側)の建物です
  • アクセス https://kadai-houbun.jp/access-2/

研究セミナー発表要旨:声のやり取りは社会を成り立たせる基盤のひとつである。Robin Dunbarの音声グルーミング仮説によると、言語内容にはよらず声を交わすこと自体が社会集団の維持と結束に貢献しているという。確かに発声交換と社会関係の緊密な連関は、ヒトだけでなく一部の動物でも見られる。ということは、動物のコミュニケーション音声を分析すれば、ヒトの音声がもつ社会性についてその制御・発達・進化メカニズムが分かるかもしれない。本講演ではこのような動機から始めた研究について、分析手法を中心に紹介する。トリ(ジュウシマツ)のさえずり学習を対象とした研究では、聴覚フィードバックに介入することで学習条件を操作しつつ、発達に伴ってさえずりの音響特徴がどのように変化するかを調べている。また、ネズミ(マウス・ラット)の超音波発声USVを対象とした研究では、その発声メカニズムを検討しつつ最適な分析手法を考案し提供している。ヒトを対象とした研究はまだそれほど進んでないが、聴覚フィードバック介入に対する応答を調べた結果を紹介する。総じて、声と社会の関係性を科学的に検証する上で生じる論点を整理し、統合的な理解に向けた議論を提供する。

法文学部 神経科学座談会とは:
 人文学科心理学コースの菅野研究室が開催する研究セミナーなどの会。第1回を行ったのは、なんと僕が着任した年度の1月で、2017年のことであった。この間、第2回が開かれなかったのだ。というのも、最初は「小さくても良いから学外の共同研究者が来訪された際はこういう会を開いていこう(学生さんが研究の話を聞く機会を作るためにも)」と思っていたのだが、僕がいる郡元キャンパスで、専門が近い動物の行動研究のセミナーを開いても、正直、人が集まりそうにないのだ。なので、ゲストにも申し訳ないし、なんとなく継続されなかった。もしくは、着任後は、結構出張も多く、大学にも慣れず、忙しかったのかもしれない。そうこうしているうちに、コロナ禍が始まって、そう言えばオンライン生活になったのでしたね。そうか、だからその後、共同研究者が研究相談や機材セッティングをしにきた際も、特に何も開催しなかったのか。あ!大学院の授業で1度、おかべしょうたさんに研究セミナーをしてもらったのでした。あれが、第2回だったということにします(今しました)。医歯学総合研究科がある桜ヶ丘では、僕もセミナーに参加したりホストをしたこともあるのですが、現在、うちの研究室にも大学院生がいますし、学部や郡元キャンパス内での分野を越えた研究の活性化のためにもやってみようと思い立ちました。もちろん、他キャンパスからもお越しください!
 そういうわけで、第3回は、僕が使っている音声解析ソフトも開発してくれた共同研究者の橘さんにお話しして頂きます🙏

参考情報

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